QC 改善事例-質問と回答  [客観説TQM−TOP]  [BACK]




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質問 [24] QCサークルになぜなぜは有益ですか?(製造課長)

 【回答】 全く無益と言い切れませんが、 弊害が大きいと思います。 そのように判断する理由は、 多数あります。

  1.「なぜなぜ」 は、 原因の判明後に根本原因を辿る手法です。 原因さえ分かれば根本原因は理屈で分かるからです。 しかし「トラブルが起きたらすぐ、 なぜなぜ」 と勘違いして、 原因究明や予防活動の機会を逃します。

  2. 根本原因は、 人材不足とか、 機械が古いとか、 メンテナンス制度が劣悪だとか、 経営者の考え方が古いとか、 現場の作業者に解決できるような問題ではないことが多いのです。

  そこで、 手順書が悪い、 相互に注意しあう習慣の欠如、 チェック・シートの不備などを、 根本原因としてでっちあげるようになります。

  これで 「読みにくい手順書」 と 「チェックシートの山」 になって行き、 ますます無駄な仕事が増えて行きます。


  チェックシートが増えると、 その様式の作成業務が増え、 チェックの仕事が増え、 チェックの適正を監視する作業が増え、 記録の保管業務が増えます。

  むしろ、 手順書やチェックシートの手順や点検事項を少なくすることが、 根本対策になる場合が多いといえます。

  3.「なぜなぜ」 は、 原因追求の手法、 特性要因図の作成手法、 特性要因図に代わる原因追求手法のように誤解され、 また、 そのように誤って指導されるようです。

  しかし、 ポカミスなど、 「なぜ?」 と自問しただけでは原因が分からないことが多く、 結局、 原因をでっちあげることになり、 地道な調査によって真因を明確にする機会を失います。

  4.真因が明確でないと、 有効対策の機会を失います。

  5.「なぜなぜ」 に固執して、 設計的な解決の機会を失います。 ⇒ 詳細について

  以上から、 QCサークルではなく、 経営陣に 「なぜなぜ分析」 を指導すべきです。


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質問 [23] 「出来るだけ」は目標に非ず
    (小集団リーダー)

  「出来るだけ」 という目標もあり得るのではないでしょうか?

 【回答】 われわれが何の目標も設定しないで改善活動をするときは、 「出来るだけ、 よくしよう」 と考えます。

  だから、 「出来るだけ、 よくしよう」 = 目標なし、 ということです。

  目標が立っていなければどうにも動けない場合とは、 どんな場合か?

  それは、 大金を投資する場合のように、 先に結果を知る必要がある場合 = 失敗が許されない場合 = 失敗したら取り返しができない場合です。この場合は一発勝負ですから、 フィード・フォワード活動でなければならず、 「出来るだけ」 では困るのです。

  しかし、 出費の少ない小改善では、 失敗をしてもいいからやってみて、 結果によって次のアクションを考えよう、という P・D・C・A(フィード・バック活動)になるので、 目標は不要なのです。

  つまり 「出来るだけ、 よくしよう」 で十分なのは、 それが目標だからではなく、 小改善では目標が不要だからなのです。


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質問 [22] 目標設定が必要な場合
    (小集団リーダー)

  小集団活動では目標を設定しないとのことですが、 設定するのはどんな場合ですか?

 【回答】 われわれが改善したいとの 「願望、 ニーズ、 ノルマ」 (注:願望は願望、 ニーズはニーズであって、 これらを目標と言い換えてはならない) を持つとき、 2つの進め方があります。

[1] 日常管理として、 金のかからない小改善で出来るだけ改善しようとする場合

  この場合は、(必ず成功すると言う前提ではなく)失敗を覚悟で、とりあえずよいと考えた手段を計画し(P)、 実施してみて(D)、 結果を見て(C)、 必要な行動(A)をとります。

  必要な行動とは、 中止であったり、 別の手段の追加であったり、 いろいろです。

  小改善は 「結果がどうなるかは約束できないが、 出来るだけよくしよう」 というアプローチであって、 コツコツと改善を積み重ねる活動です。 小改善ですから、 「必ずこういう結果にする」 という目標は立てられません。

  また、「出来るだけ」 というのは、 目標を設定したことにはなりません。

[2] 大金を投資してまでも、 プロジェクト(一発勝負)として必要な結果を求める場合

  この場合は失敗が許されず、 石橋を叩いて渡ります。 すなわち、 結果が満足で、 かつ最善という2つの条件を確認しなければ走れません。

  結果が満足で最善の手段が見つかって 「よし、 これで行こう」 と決めたときに、(先に結果を確認し、 その実現を約束しているから) 目標が立っていることが分かります。 つまり目標は一発勝負の場合にのみ設定します。


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質問 [21] 小集団活動の目標設定の弊害
    (小集団リーダー)

  普通、 小集団活動でテーマを選定し、 目標を設定するように指導されます。 例えば、 コニカミノルタのサイトでも、 そのようになっています。
  客観説TQMで 「テーマを選定せず、 目標も設定しない」 と指導するのはなぜですか?

 【回答】
  小集団活動でもテーマを選定しますが、 それは発表テーマの選定です。 活動テーマは全て改善対象なので、 特別の選定をせずにやりやすいテーマから取り組めばよい。

  目標は設定しないようにすることをお勧めします。

  その理由はいくつかありますが、 主なものを挙げると以下のようになります。
  1. 「目標の意味が分からないのに目標を設定する」という不合理な活動に陥ります。
  2. そのような目標設定を指導する人は、 目標の意味や正しい設定の仕方を理解していません。
  3. データがないのにカンで目標を設定するという非科学的なアプローチになります。
  4. 体裁を基準に目標を設定し、 成果も体裁を基準に発表するようになります。
  5. 以上のような目標設定をすると、 目標の設定が不要な活動と必要な活動を区別する能力が育ちません。
  前記サイトでは活動のタイプを3つを挙げていますが、 実務では5つ必要になります。


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質問 [20] 無給の小集団活動
    (TQM推進室)

  工場長が小集団活動を始めよと命令したのですが、 現場では生産中に出来ないし、 残業でやっても残業手当は出ません。 どのように進めたらよいですか?
  工場長の説明では、 自分達の仕事を点検したりする日常管理は自分達の問題だから自主的に活動すべきで無給だとのことです。

 【回答】 工場長の説明は誤りです。
  日常管理は、 工場長、 部長、 課長、 係長の仕事です。 管理職というのは、 日常業務の管理職という意味です。

  製造なら製造、 購買なら購買という本来の分担業務をトラブルなしに (ムリ、ムラ、ムダなく) 遂行するように管理することが日常管理です。

  そのためには詳細な情報と工夫が必要になりますが、 管理職だけでは個々人が持っている毎日の詳細な情報は得られません。

  そこで、小集団を 「管理職への協力機関」 として設けるのです。 従って日常管理は 「点検することに限らないし、 管理職と無関係な自分達の仕事」 でもありません。 正規の有給の業務です。

  このような誤解をなくすには、 経営者・管理職から教育しなければなりません。 誤解を生む原因は 「QCサークルは自主的活動」 と誤って教えられるからです(日科技連)。

  小集団活動はいちいち指示されなくても 「自発的に行う」 べき活動ですが、 管理職から独立して 「自主的に行う」 活動ではありません(2007年11月名古屋地裁)。 ⇒ 参照


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質問 [19] e−QCC について
    (TQM推進室)

  最近提唱されている 「e−QCC」 ではテーマ=重要課題とされます。 また活動にはトップのコミットメントが必須で、 目標を決めて業績に貢献した活動の推進を提唱します。

  確かにQC活動を活発にするにはトップ自らが活動に関心を持ってサークルを引っ張れば、 それなりに成果の出る活動になると思います。

  ですが、 これらを必須とすると本来の小集団活動の自主性や職場の日常管理はどうなるでしょうか?

  以前から日常管理がしっかり出来ている職場には有効かも知れませんが、 改善活動が活発でない現場で取り入れたら日常管理が全くされなくなり、 担当者の やらされ感 、 活動に対する反発が余計に強まるのではないかと思いますが、 いかがですか?

 【回答】 なかなか正確な判断をされています。 方針管理の理論を間違って停滞した故に、 方針管理で行うべき改善を 「活性化を名目に」 QCサークルにやらせようと、 しわ寄せしたものが e-QCC であろうと思います。

  1. 「テーマ=重要課題」 とする点は誤りです。 日常管理は、 重要なものだけ手をつけて、 あとは放置するという活動ではないからです。
  2. 「活動にはトップのコミットメントが必須」 という点も誤りです。 トップが黙っていれば放置するのは日常管理と相容れない思想です。 日常管理は本来部長・課長の仕事ですから、 トップがコミットメントを出すこともあり得ますが、 「トップがコミットメントを出したものだけに手を出す」 というやり方はあり得ません。
  3. 「目標を決めて」 という点も誤りです。 高額投資をする方針管理の場合はフィード・フォワードの一発勝負だから、 事前に投資効果と最善性を保証するために目標の設定が必要です。 しかし日常管理は、 できるだけ良くするために改善策を検討し(A)、 計画し(P)、 実行し(D)、 結果を見て次の行動を考える(C)というフィード・バック活動なので目標は設定しません。
  以上は QCC=日常管理 という基本に立てば、 明白なことです。

  なお方針管理の誤りにつき、 第8章、 第11章 をご参照下さい。


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質問 [18] 大改善能力の育成
    (TQM推進室)

  大改善を効果的に行うには優秀な人材が必要で、 その能力は小改善の繰り返しで培われると思います。その上で品質 ・ 納期 ・ コスト ・ 安全 ・ 環境を統合した機能別管理を行うという組織が有効的かと思いますが如何でしょうか?

回答
  大改善を効果的に行うには優秀な人材が必要であることは、 その通りです(いわば、専門家)。 しかし、 小改善を繰り返したからといって、 大改善の能力が培われるとは限りません。 日常管理の小改善は、いわば製造現場や事務員などの作業者レベルの改善です。 日常管理の小改善だけで、 大改善向きの人材育成が可能と考えることは出来ません。

    例えば、 製造現場で簡単なジ具ぐらいは作れても、 高度の自動機の設計が出来るようになるわけではありません。 金のかからない小規模な改善をいくら経験しても、 大金をかけて行う改善が出来るわけでも、 高度の改善が出来るようになるわけではありません。

  その反面、大改善が出来る人達は小改善が楽にできると思いがちですが、そうでもありません。専門家は、意外に小さな改善が苦手です。

  特定の部署に帰属しないプロジェクト・チームを作って、 品質管理委員会、 原価委員会、 安全委員会などが問題にしたテーマをとりあげて解決する制度は、 十分に機能すると思います。 製造課の問題は製造課が解決する〜というやり方の機能別管理はダメですが、 解決してくれる機関を設ければいいわけです。


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質問 [17] 自己啓発か効果重視か?
    (QCサークル推進事務局)

  我が社の小集団は、 活動の狙いを ”自己啓発” としながらも、 一方では 「効果重視」 をうたっています。 昔から ”二頭追うものは一頭も得ず” といいます。 自己啓発を真の目的とし、 担当者たちが小集団の中で改善意識というものを高めていけるようにしたら良いのではと考えるのです。

回答
 小集団活動は、本来の管理者である職制(係長〜部長)だけでは目が届かないから、 末端の作業者の自主的な活動を引き出すものです。 従って、 効果がなければ無意味です。

   効果がなければ無意味だけれど、 その効果は個々の活動で出る必要はないのです。 個々の活動は失敗したり成功したり、 いろいろです。 1年、2年、3年〜5年と、次第に効果が見えてくる。 これでよい訳です。

 そのため 、 能力を培わねばならない。 次第に難しい要因分析も自動化やFMEA解析などもできるようになる必要があります。 そのために、 自己啓発・相互啓発が必要になります。

 自己啓発・相互啓発が先で、その結果として「長い目で効果が出る」のです。 個々のテーマで効果重視というのは最大の弊害で、 能力もないのにウソ話で効果を宣伝するようになります。


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質問 [16] 大きなテーマを押し付けられる
    (QCサークル推進事務局)

  当社の管理職が出してくるテーマは、 ”小改善”ではありません。 全社的な課題や方針に沿ったものは、活動テーマとしてそれなりに大きいものです。 そして、管理職が出してくるテーマと担当者が個々に抱えている問題は必ずしも一致しません。

  ■回答
 おそらく、 御社では方針管理と小集団活動を取り違えているのだと思います。

 小集団活動は小さな改善、 方針管理は大きな改善です。 御社の管理職は、 方針管理を小集団に押し付けていると思われます。


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質問 [15] 日常管理とは何ですか?
    (QCサークル推進事務局)

 「小集団は日常管理の小改善である」とあります。 従って、
 A)日常管理であれば、各サークルにおいては自由な活動をさせるべきであると思います。
 B)いちいち事務局が進捗管理をする必要はないのではないでしょうか。

回答
 日常管理とは、 製造課なら毎日の製造業務の管理、 設計課なら毎日の設計業務の管理を言います。 つまり、 その部署の本来的な業務を日常管理と言います。   

   従って、 その部署の中心的な幹となる業務が日常管理です。 日常管理の中には、 本来の業務をこなす他に、 より円滑にこなすように小改善することを含みます。 その小改善を担当するのがQCサークルです。

  A)は明らかに間違いです。 日常管理を各サークルが自由に行うなら、 係長も課長も部長も不要だということと同じです。 自主的活動とは、 いちいち指示を待たなくても自らの課題として活動することであって 部課長の指示を無視することではありません。
  B)進捗管理は、係長・課長・部長という職制の仕事です。 しかし事務局は、「その職制が行っている進捗が適切かどうか」 を全社的に把握し、 弱点を指摘し、 解決策を考案し、 実行する役目があります。


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質問 [14] サークルの進捗管理は誰の仕事?
   (QCサークル推進事務局)

 私の仕事は小集団の全社事務局であり、 各サークルの進捗状況や活動成果を管理して活動が遅れているサークルへのフォローや成果の横展開が主な業務です。

 この点はいかがですか?

回答
 小集団活動は、前述の通り正式業務です。 従って小集団を指導しその進捗を把握しフォローを行うのはそのサークルが所属する部署の係長・課長・部長の仕事です。 部長・課長・係長というような指揮命令系統は日常管理を行うために存在します。

 一方、 小集団活動が全社的にどのような状況にあるか、これを組織横断的に把握する仕事 (機能別管理、 cross functional management) があなたの仕事であり、 全社的に見て、 

 A)日常管理が遅れている部署の把握、指摘
 B)共通の問題点の把握(例えば、QCストーリーの誤解、特性要因図の誤り)
 C)教育の計画、実施

というようことを行います。

 他にも例えば、 各部署の原価管理 (これも日常管理) をするのは係長・課長・部長です。 しかし原価を全社的に把握し、弱点を見付けたり管理の誤りを指摘したり教育したりする組織横断的業務は原価管理委員会の仕事です。


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質問 [13] 各サークル年に2以上のテーマ
   (QCサークル推進事務局)

  各サークルでは年に2つ以上のテーマを完了させることになっています。 発表会も年に2回、 各部門から代表サークルが出てきて盛大に行われます。 この点はいかがですか?

回答
 最もまずい運用の仕方です。 問題は4つあります。

  1. 発表に値するテーマを持たないチームはどうするでしょうか? ウソ話を作る以外に逃げ場がありません。 そして一度ウソ話で逃げ切ることに成功すると、 次回からは怖いもの知らずです。 際限のない間違いを繰り返すサークルに育って行きます。

  2. 日常管理は、 テーマが5個あれば5個行い、 1つしかなければ1つだけ行う活動です。
    油漏れがあれば修理し、 ガラス窓が割れれば修理する、 汚れ不良が出たら原因を調べて是正する。 日常管理は、 QC手法を使うとか発表するとかは無関係に行います。 これが日常管理です。 「年にいくつ」 などというのは、 日常管理の意味をゼロから学びなおす必要があるでしう。

  1. QC手法を使うとか発表するとかは無関係にテーマを決めて、 失敗事例や成功事例の実績を多数を作るから、 年に2個や3個では済まず、 10件〜30件と活動するのが普通です。 その中から、 他サークルに参考になりそうな過去の事例を選んで発表するのです。 発表するテーマを決めて取り組むのではありません。

  2. また、 御社は、 「QCサークル活動が活発」 であることと 「発表が盛大」 であることの区別を混同しています。 従って、 「QCサークル活動の活性化」 を論じるとき、 「活動の活性化」 なのか、 「発表の活性化」 なのか、 明確に区別しなければなりません。


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質問 [12] 小集団活動は会社の正式業務
   (QCサークル推進事務局)

  私共の会社の小集団活動は部門毎に幾つかのサークルがあり、 就業時間中の活動を認めているとの理由で、
 A)テーマは業務に沿ったものであること。
 B)部門長、または上司がある程度の方針を出す。
 C)業務だから成果が見えるものをやること。
とされていますが、いかがですか?

回答  小集団活動は会社の正式業務として日常管理を行う活動です。 従って、   


 A)テーマは業務に沿ったものであること、
は当然であり、
 B)部門長、または上司がある程度の方針を出すこと、
も一向に支障ありません。しかしながら、
 C)業務だから成果が見えるものをやりなさい、
ということにはなりません。 成果が見えるテーマを選ぶには予言力がないと不可能だからです。「失敗を恐れず挑戦する、 失敗を皆で讃え合う、 失敗から多くを学ぶ」。 これこそが進歩の鍵です。「成果の見えるもの」 を追いかけると、 成功が分かっているものだけですから進歩がありません。


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質問 [11] 大改善の意味
   (TQC推進事務局)
  大改善について、”出費を伴う改善”とあります。 出費を伴わなくても、ある程度の時間や人員を費やす改善は大改善になるのではないでしょうか?

  例えば、 他部門を巻き込んでの改善などは担当者を説得して改善に協力してもらうために、 それなりのデータや改善の根拠が必要となります。 大改善が一概に”出費を伴う改善”としているのは何故でしょうか?

回答
  

  大改善は 「目標が必要で、 管理サイクルになじまず、 feed forward management が必要な活動」 です。 やり直しがきかないからです。

  つまり、 大改善と小改善の区別は、 一発勝負かやり直しができるかという区別です。 大改善の代表は大金を出費する場合ですが、 出費のない大改善もあります。 出費は不要だが失敗したら大変だ〜という場合です。 ただ、 代表的なものは大金の出費を伴う場合なので、 大改善=「出費の大きい活動」 と説明しているだけです。

  なお、 時間や人員というのはコストですから出費になります。


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質問 [10] ニーズ展開から実行テーマを選定
   (品質管理部長)
  ニーズ展開をして、 そこからテーマを選定して 「半期実行方針」 としてよいですか?

回答 2つの問題を含みます。

 1. ニーズ展開をしてそこからテーマを選んで実行するのは、 主観説のやり方です。

  ニーズ展開をして重要な検討テーマ (ワースト3 )を選び、 「立てることの出来た目標」 の中からベスト3を選定して実行方針とすべきです。

  もっとも、 3という数値にこだわる必要はありません。

 2. 半年で検討し実行することの是非は、 「それだけの実力があるかどうか」 の問題です。 普通、 それはかなり無理な注文であって体裁を基準とする虚偽発表を招きかねません。

  しかし、 その実力があるなら決して間違っているとは言えません。 例えば、「1週間を長期計画とし、 毎日の日度計画を立てて実行する。」 というのも、 その実力があるなら構いません。


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質問 [9] 中・長期計画→年度計画、 年度計画→半年計画への短縮
   (品質管理部長)
  中・長期計画→年度計画、 年度計画→半年計画と短縮するのはどうですか?

回答  結論をいうと、 望ましくありません。

  従来の主観説では、 改善担当者に与えられる時間は1年だけです。 1年でやるということになると、 テーマストックを経営者が見る機会はなく、 客観説TQMの方針管理は成り立ちません。

  「数ヶ月で終わるような簡単なテーマが相当数ある。」 と分かっているなら話は別ですが。


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質問 [8] 品質課題だけでもよいか?
   (品質管理部長)
  方針管理を、 「品質課題」 のみで行いたいのですが。

回答  結論をいうと、 望ましくありません。

  原価Cは高くて競争に負け続け、 納期管理Dが悪くて頻繁に苦情を受け、 周囲に公害物質を垂れ流して環境破壊をしているのに、 「品質Qだけ」 というのでは片手落ちです。 これを QDC一体管理 と呼びます。

  しかし、「他は目立って悪い点がなく、 もっぱら品質クレームで悩んでいる。」 というのであれば、 品質課題だけを取り上げてもQDC一体管理の違反ではありません。

  つまり物事の是非は、 「こういう状況の下で、 こうするのはどうか?」 と考えるべきです。

  「品質に関して模範を示して、 その後、 全課題を扱うようにする。」 というような構想で、 とりあえず品質課題のみという作戦は悪くありません。


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質問 [7] 小改善と大改善の判別法は?
   (品質管理部長)
  小改善と大改善とで活動手順や内容が異なることは分かりますが、 事前にどうやって判別するのですか?

回答
  事前に判別できる場合と、できない場合があります。 例えば、 新製品開発や自動化などは大改善であることが事前に分かります。

  また、 清掃や簡単な修理などは小改善であることが事前に分かります。

  小集団活動は小改善しかしないので、 小集団が手に負えなかったものは大改善テーマであることが多いし、 「大改善と思ったが、 検討してみたら小改善で済んだ。」 という事後的な判断もあります。

  事後的な判断であっても、 そのようにして区別されて行けば支障はないことになります。


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質問 [6] 方針は定性的か、定量的か?
   (品質管理部長)
  方針は、 「クレームを80%削減」 という具合に定量的に立てるべきか、 それとも、 「クレームを出来るだけ減らす」 という具合に定性的に立てるべきでしょうか?

回答
  本音で行くべきです。 クレームを80%削減したい根拠があるならその政策で行くべきだし、 出来るだけ減らしたいなら定性的政策で行くべきです。

  方針は政策であって、 結果を保証するというのではありません。 その可能性を探って、 「妥当な目標が立つならそうしよう」 ということです。

  方針が定量的に出されると、 定性的な場合よりも 「思い切ったことをする積りだ」 という覚悟を表明することになり、 インパクトは強くなるでしょう。

  しかし、 その数値が必要なのだという根拠もなく、 いたずらに 「不良半減、クレームゼロ」 などと唱えるのは、 やはり体裁主義を脱していないことになります。


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質問 [5] ワースト3=ベスト3?
   (品質管理部長)
  第8章 (方針管理) で、 「ワースト3を挙げて検討し、 ベスト3を実行に移す」 とありますが、 3つ挙げて3つ実行するなら、 ワースト3とベスト3は同じものですか?

回答
  不良率のワースト3、 クレーム件数ワースト3、 災害のワースト3、 環境側面のワースト3など、 ワースト3は合計すれば多数あります。

  その中の 「よい手段があって最も有利な改善ができるテーマ」 を3つほど拾って実行に移すのです。

  「3」 というのは、「代表的なものを少数」 という意味であって、 1個でも2個でもよいのです。

  不良率の最悪のもの5つ挙げて、 そのうちの有利な1つを選定して実行するのでもよいワケで、「3」 にこだわる必要はありません。

  ワースト3は、 いわゆる パレートの原則 です。 小さな問題は多数あるが、 大きい問題は少数。 従って、 迅速に改善するためには大きな問題から片付けよ。

  しかし、 QDC一体管理の原則 に基づいて出費の点を考慮すると、 コストパフォーマンスの悪い活動はしたくない。 一番悪い問題を解決したら、 金がかかりすぎて会社が潰れたというのでは困る。 従って、 最も有利なテーマから片付けたい。

  以上の2つを組合わせると、「ワースト3とベスト3」 の考え方になります。


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質問 [4] テーマ展開とは?
   (品質管理部長)
  第8章 (方針管理) 8-4-1 の表の 「テーマ、 展開」のテーマとは、 具体的にどのような内容でしょうか?
  即ち、
テーマ=目標+方策
と考えますと、 この段階でのテーマ展開とはどのようなことなのか理解できません。

  「ニーズ展開」 ならば理解できるのですが。

回答
  「テーマ」 とは、 解決しようとするニーズを言います。 最初は単なるニーズですが、 何とかしなくてはならないと認識すればテーマとなります。

  検討して手段が見つかって目標が立った段階でも、 さらに実行に移っても解決し終わるまではテーマです。

  従ってテーマの展開には、 ニーズ段階での展開と目標設定後 (目標+方策) の展開があります。

  前者はどの工程・職場にどんな要解決のテーマ (ニーズ) があるか全体を見渡すように列挙することだし、 後者は実行待ちのテーマにどんなものがどこにあるか全体を見渡すように列挙したものを指します。

  テーマストックは、 この展開した形で表現するのがよいと思われます。


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質問 [3] パワーポイント教材は役立つか?
(経理課事務員)

  私の会社では5年前ほどからQC活動があります。 年2回の発表には、 事務である私も視聴として参加してきました。 来月から私ども事務も参加し7月上旬の発表にも出ることになりました。

  テーマはおよそ決められており、第2章の 「不良ゼロ・クレームゼロ」 のような課題です。

  その際 「絵に描いた餅」 とならないために、 初めての発表の成功を成し遂げて会社全体に活気が出るために、 パワーポイント教材は有効でしょうか?

回答
  「活動する前に発表テーマが決められている」とのことですが、 これで既に失敗です。

  活動テーマは選ばない。 そして多数の活動実績の中から発表テーマを選ぶのです。 この点、 客観説TQMから学ばなかったのですか?

  活動前に発表テーマが決まっているなら、 既に 「絵に描いた餅」 です。 なぜなら、 根拠もなく願望だけで 「不良ゼロ、クレームゼロ」 の目標にしているからです。 初めての発表に失敗しないためには、 今から ウソ発表の準備 をすることです。

  パワーポイントには、 ホームページほどに詳しい説明はありません。 従って、 ホームページを読んで理解しない人にはパワーポイントは役に立たないのです。

  客観説TQMを導入しようとするなら、 企業のトップが承認して、 全社的に導入する必要があります。 あなたの会社は主観説を導入していますので、 あなたが客観説TQMに従って発表すると、 皆から 「だめな活動、だめな発表」 と批判されます。 従って、 品質管理課の部長さんや課長さん、できれば重役や社長に客観説TQMのホームページを読んで頂くのがよいでしょう。

  そして、 社員教育を進める段階になって、 パワーポイントが必要になったら改めて請求しても遅くありません。 


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質問 [2] なぜ、全員参加なのか?
(会社役員)

  QCサークルを導入しつつあります。 しかし、 かなり多くの従業員が共通に感じていることは 「なぜ、 全員参加なのか。 出来る人がやればいいではないか。 出来ない人達にやらせようとするのは無理だ。」 ということです。 どのように説明すべきか、 ご指導下さい。

回答
  「全員参加だから、キミも参加せよ。」 と言われて納得する人などいません。 それは論理が逆なのです。 「キミが参加しなくては困るから、全員参加なのだ。」 ということです。

  第一に、 キミしか知らない情報が必ずある。 それがトラブルを解決する上で重要な情報である場合に、 キミがいないために改善が進まないということが必ずある。

  第二に、 改善したときに 「標準化」 で定めた規則は、 キミも守らなくてはいけない。 キミが知らない間に、 キミに都合の悪い規則を作るワケに行かないから、 キミがいなくては困るんだ。

  このような説明をして、 その反応をお知らせ下さい。

  なお、活動は全員参加ですが、 発表は全員にではありません (発表に値するものがなければ、 発表しないこと)。 


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質問 [1] 作業ミスを減らす方法
(パート M.S.)

  1日200個の品物を3人で作っています。 そのなかで、 10〜20個の間違いが出てしまいます。 ミスを減らす方法、を教えて下さい。

  あるところに同じ質問をしたところ、 次のような2つの指導がありました。 これで正しいのでしょうか。
  指導その1
  ・どんな点に間違いが多いか把握する。
  ・間違いをなくす方法の仮説を立てる。
  ・実際にやってみる。
  ・効果を間隔を置いて確認する。
  ・効果的であれば、 次の問題へ。
  ・効果がなければ、 仮設が間違っているので仮説を立て直す。
  ・大事なことは、 仮説を実行前に否定せず、 まずはやってみること。

  指導その2
  1日200個も作るなら、 クセになっているはずです。 なぜ間違いが出るのか、 その原因が分れば回避策も出ることでしょう。 原因追求から始めましょう。

  悪い癖を早く見つけて直しましょう。

■ 回答
  指導その1について
  この指導は、 要するに 「ミスを減らす方法を(自分で考えて)試し、 ダメなら別の方法を考えて試す。」 これを永遠に続ければ、 いつかは解決する・・・と言っているワケです。 肝心の 「ミスを減らす方法」 は自分で考えろ、 と逃げています。

  一般論として、次の場合があります。

  • 毎回同じ作業をしている中で、 同じようなミスの繰り返しがある場合

  •   この場合、 ミスをしようとしても出来ない、 あるいは、 ミスをすれば直ぐに分る仕組みを作ることが最善です。

      例えば、 毎回同じ手紙を書くなら、 正しい内容の文面をワープロで作って繰り返し使うようにすれば、 間違いようがなくなります。

  • 毎回違う作業でミスを犯す場合

      例えば、 毎回違う手紙を書くなら、 正しい内容の多種類の文面をワープロで作って代わる代わる使うようにすれば、 間違いようがなくなります。

      指導その2について
      トラブルの発生を防ぐ考え方は、 大きく分けて2つあります。

  •   発生する原因を調べて除去する場合 (問題解決型) と、 発生しない仕組みを新しく与える場合 (課題達成型) です。

      人間はミスを犯す動物であって原因を除去することは出来ませんので、 後者を採用することが多いでしょう。 このミスを犯せないような仕組みを、 フール・プルーフと呼んでいます。

  • 片面に突起をつけて、 裏表を間違うと浮き上がってしまう。
  • 間違った部品を使うと、 次の部品が組めない。
  • 前のねじを締め付けないと、 次に使うねじが出てこない。

      その他、 多数の工夫例があります。

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    客観説─QC
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    FMEA/FTA・特性要因図 ─ 研修セミナー